Appleが自律走行車の開発に協力するパートナーを探しているとの噂が飛び交っており、ある情報筋はApple Carにはハンドルがないと予想されると推測している。
「ハンドルは期待しないほうがいい」と、モルガン・スタンレーの自動車・シェアード・モビリティ担当アナリスト、アダム・ジョーンズ氏は述べている。AppleInsiderが入手した投資家向けリサーチノートには、ジョーンズ氏がこう記していた。
Appleが、運転プロセスに人間が介入するような車両設計で自動車市場に参入するとは想像しにくい。これはあくまで私たちの見解だが、ハンドル付きのApple Carは、まるで物理ボタンと壁に接続されたコイル状のゴムコードが付いたiPhoneのようだ。もし私たちの考えが正しければ、これは自動運転車市場における投資家の評価を飛躍的に高める可能性がある。
同氏は、アップルカーはテスラと直接競合するだろうとも付け加えた。
ジョーンズ氏はまた、アップルがキアにアップルカー生産のために投資する計画だと報じられている36億ドルは「自動車工場1つに投資するには多額の金額」だと指摘している。
アップルと起亜自動車の36億ドルの取引
実際、この金額はAppleにとって過去最大の買収である30億ドルのBeats買収をはるかに上回る。しかし、噂されている生産計画を実現するためには、Appleは購入できるあらゆる製造能力を必要とするだろう。
どうやら、AppleとKiaは2024年までに年間10万台以上の生産を目指しており、必要に応じて年間40万台まで増産する能力も備えているようだ。Appleが年間でこれだけの台数を製造、販売、そして顧客に出荷できることを証明できれば、世界の高級車市場の1~3%、そして電気自動車市場の1~4%を獲得できる可能性がある。
Apple Chargerコンセプトカー
(インスタグラム:VDXHD_Creator) pic.twitter.com/pEgwUJ4zE6
— ダレン・ロヴェル (@darrenrovell) 2021年1月9日
これはJPモルガンのアナリスト、サミク・チャタジー氏の見解だ。AppleInsiderが入手したリサーチノートの中で、同氏はAppleのモビリティ分野への参入は、当初の36億ドルの投資額をはるかに上回る利益を生み出す可能性があると予測している。「Appleはこの市場に参入して、2~5%のシェアを獲得するだろうか?それとも25~30%のシェアを獲得するだろうか?」と同アナリストは述べている。
彼によると、Apple Carの成功は、iPhoneがスマートフォンを主流にしたように、バッテリー式電気自動車市場の成長を促進するだろうという。アナリストたちは、自動車販売に加えて、AppleがApple Carのオーナー向けに将来的に未定のサブスクリプションを販売することで利益を上げると予想している。
Appleのロボットタクシーが登場?
CNBCは、Apple Carが完全自動運転車になるという以前の報道を裏付けており、iPhoneメーカーはApple Carを消費者に販売する前に、まずは自動運転ロボタクシー事業を立ち上げて1台当たりの収益を高める可能性があると推測している。
ブルームバーグは本日、iPhoneメーカーが日本の自動車メーカーとの契約を目指し、少なくとも日本の自動車ベンダー6社と供給契約について協議しているという日経新聞の報道を伝えた。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、アップルが起亜自動車と提携してアップルカーを生産するというロイターの最近の報道を裏付けた。同紙によると、「最近、現代・起亜の幹部は、契約成立に向けて潜在的なパートナー企業に接触している」という。