スプリントはTモバイル買収候補に新たなライバルが現れたようだ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、 フランスの通信会社イリアドがTモバイルUSの買収を提案し、150億ドルの現金で同社の過半数株式56.6%を取得すると報じている。
アメリカのT-Mobileと同様に、Iliadはフランスで4番目に大きな携帯電話プロバイダーです。億万長者のフランス人起業家、 ザビエル・ニエルによって設立された同社は、競合他社よりも優れた価格と顧客サービスを提供することで、トップの座に上り詰めました。
以下はジャーナル紙のルース・ベンダー氏のコメントです。
スプリント社(S-5.28%)とTモバイルUS社(TMUS +6.46%)のゆっくりとした駆け引きは木曜日に衝撃を受けた。フランスのイリアド社(ILD.FR-5.58%)がTモバイルUSに対して独自に買収提案を行ったのだ。世界の通信業界で最も大胆な2大巨頭の激突が始まった。[…]
「米国のモバイル市場は規模が大きく魅力的だ」と、イリアドはウォール・ストリート・ジャーナルによる買収提案に関する報道を認め、述べた。「TモバイルUSは、多くの点でイリアドがフランスで築いたものと類似した、破壊的な地位を確立することに成功した」とイリアドは述べた。イリアドは、フランスの携帯電話市場で価格競争を巻き起こしたことで知られている。
イリアドはスプリントほどの高額を提示できないものの、Tモバイルとの交渉における弱点を突こうとしている。同社は規模と立地から、規制当局からの抵抗ははるかに少ないと見ており、これは親会社であるドイツテレコムにとって関心を引く可能性がある。
T-Mobileにとって、ここ数年は興味深い時期だった。AT&Tとの合併が破談となり、新CEOジョン・レジェール氏の下で目覚ましい業績回復を遂げた同社は、この数年間で大きな成功を収めた。レジェール氏は「Uncarrier(アンキャリア)」構想によって、自身とT-Mobileの名声を高めた。
しかし、成功しているにもかかわらず、ドイツテレコムが米国の無線通信事業からの撤退を模索していることは明らかだ。イリアドの提案を真剣に受け止めているようには見えないが、それでもスプリントや他の潜在的な買収候補企業にはスケジュールを早めるプレッシャーがかかる。