スプリントは、長年のパートナーであるクリアワイヤに対する経営権を強化するため、無線ブロードバンドプロバイダーであるクリアワイヤと高レベルの交渉を行っていると報じられている。この合意により、スプリントは買収のための資金を投じることなく、クリアワイヤの取締役の過半数を自ら任命する権限を得ることになる。
このニュースは実のところ少々意外なものでした。多くの人(特に投資家)は、ソフトバンクが今週初めにスプリントの経営権を取得すると発表したことで、クリアワイヤの買収につながると予想していたからです。しかし、どうやらスプリントには別の計画があったようです…
ウォールストリートジャーナルは次のように報じている。
事情に詳しい関係者によると、スプリント・ネクステルは、ワイヤレスブロードバンド事業者であるクリアワイヤの他の投資家との合意に基づき、同社の取締役会の支配権獲得に向けて協議を行っている。クレイグ・マッコー氏のイーグル・リバー・ホールディングスやコムキャストを含むクリアワイヤの投資家との協議条件や状況は現時点では明らかになっていないが、合意に至れば、スプリントは買収することなく取締役の過半数を任命し、同社を支配する権限を得ることになると関係者は述べている。
スプリントは現在、クリアワイヤの株式48%を保有していますが、取締役会の支配権を握っていません。これはスプリントにとって脅威となります。スプリントはクリアワイヤのネットワークに顧客を抱えており、いずれは同社の無線周波数帯へのアクセスが必要になるからです。また、取締役会の完全な支配権を失えば、スプリントはいつか資産を流出させる可能性があります。
Clearwireは2003年に設立されましたが、本格的に成長したのは2008年にSprintとGoogleが数十億ドルを投資してからでした。現在、同社はWiMAXネットワークで約1,100万人の加入者(そのほとんどがSprintの顧客)を擁し、米国で5番目に大きな無線通信事業者となっています。
なぜこれが重要なのでしょうか?Clearwireは今年初め、LTE「Advanced-ready」技術を4G WiMAXネットワークにオーバーレイする準備を進めていると発表しました。技術試験は完了しており、2013年半ばまでに31都市でLTEネットワークの運用を開始する予定です。
LTEは現在、モバイルテクノロジーにおける大きな話題です。特にAppleがLTEに本格的に参入した今、その重要性は増しています。LTEの普及率において、SprintはAT&TやVerizonに大きく遅れをとっているため、Clearwireと両社の関係改善は、どんな形であれ良い兆しと言えるでしょう。