Appleがトップクラスのエンターテイメント人材と密かに会合を重ねていると、Fast Companyが報じている。様々なテクノロジー大手のストリーミング配信への野望を詳述した長文記事の中で、同メディアはAppleがオリジナル番組のラインナップ構築に注力していると報じている。
情報筋によると、同社は今年のサンダンス映画祭期間中、ユタ州のインペリアルホテルにひっそりと店舗を構えていた。そこで「iTunesラウンジ」と呼ばれる一連のプライベートイベントを開催し、俳優や映画製作者らとコンテンツ契約について協議していた。
iTunesラウンジは、実はAppleがエンターテインメント配信において新たな、より積極的な役割を確立しようと、ひそかに進めていた取り組みの一環だった。その後数週間、Apple幹部はロサンゼルスを訪れ、Apple TVとiTunes内の「独占配信」アプリで配信予定のオリジナルTVシリーズの企画を聞き取った。情報筋によると、Appleは「トリプルAリスト」のタレントと提携し、自社プラットフォームでのみ視聴可能な必見番組を揃えたいと考えているという。当然ながら、この交渉は極秘裏に進められてきた。Appleと面会したプロデューサーたちは、この会社を「ユナイテッド・フルーツ・カンパニー」としか呼ばない。
もちろん、Appleは既存コンテンツを使ったストリーミングTVサービスの構築に苦慮した経験から、オリジナル番組への関心を表明する噂が長らく囁かれてきました。すでに、ミュージシャンのドクター・ドレーやウィル・アイ・アムと共同でテレビ番組の制作を開始したと報じられています。
Appleの計画について説明を受けた、あるいはApple幹部と直接話をした5人の情報筋によると、同社は依然としてやや「混乱」しており、ハリウッドの重鎮たちはAppleが一貫した戦略を提示していないと不満を漏らしている。とはいえ、Appleはオリジナル番組制作において「二車線アプローチ」を採用しているようだ。「Vital Signs」もその一つで、ドクター・ドレーと、彼のBeatsパートナーで元レコード会社幹部のジミー・アイオヴィンのミュージシャンや友人を主人公にした短編映画、ミュージックビデオ、ドキュメンタリーを制作する予定だ。
[…] 2つ目のレーン(今のところはより秘密裏に進められている)は、AmazonやNetflixが数千万人のユーザーのために行ってきたこと、つまり独自のテレビスタイルのエンターテインメントを提供することを目指している。しかし、AppleはAppleらしく、独自の「House of Cards(カードハウス)」を見つけたいだけでなく、複数の「House of Cards(カードハウス)」を同時に実現したいと考えている。
Fast Companyによれば、Facebook、Google、Alibabaもこの分野を模索しているという。
出典:ファストカンパニー