ウォール・ストリート・ジャーナルは、アップルなどの製品を組み立てる世界最大の請負製造業者フォックスコンが、iPhoneのディスプレイ供給業者シャープを買収すると確かな筋から報じた。
シャープは数年にわたり財政危機に陥っており、銀行は3年間で2度救済した。
フォックスコンはシャープ買収に約6250億円(約53億ドル)を提示したと報じられている。2013年、フォックスコンはシャープの株式を大量に取得する予定だったが、株価をめぐる論争により取引はすぐに頓挫した。
日本政府はシャープの外資化に難色を示していると報じられている。しかし、フォックスコンは、シャープに対し、同じく大手ディスプレイメーカーであるジャパンディスプレイの経営権を握る日本政府系投資ファンド、イノベーション・ネットワークよりも高い金額を提示したと報じられている。
さらに重要なのは、フォックスコンはシャープの経営陣を交代させる計画がなく、「負債のすべてを負担する意志」を示したとみられることだ。これはシャープの債権者に「政治的考慮ではなく、取引の経済性に基づいて」決定を下すよう説得するための動きだ。
報道後、シャープの株価は20%以上上昇した。
フォックスコンの会長テリー・ゴウ氏は2012年に日本の堺市にあるシャープのディスプレイ工場の株式38%を私財を投じて取得した。
Appleはシャープに加え、現行のiPhoneに搭載するLTPSパネルをジャパンディスプレイと韓国のLGディスプレイからも調達しています。2015年3月の報道によると、Appleはジャパンディスプレイと共同で新たなディスプレイ工場に投資したとのことです。
クパチーノの同社は、今後2~3年以内に、iPhoneにLTPSパネルの使用をやめ、はるかに電力効率の高いOLEDスクリーン技術を採用する方向に大きく転換すると予想されている。
出典:ウォール・ストリート・ジャーナル