アップルのエンタープライズ・ガバメント担当副社長、ジョン・ソロモン氏が辞任した。ソロモン氏は、多額の技術予算を持つ大企業や政府機関に対し、アップルのハードウェアとソフトウェアの販売を担う営業チームを率いていた。
アップルはロイター通信に対し、ソロモン氏の退社を認めたものの、それ以上のコメントは拒否した。ソロモン氏自身も退社理由を明らかにしなかった。法人向け営業の重要幹部を失うことで、近年アップルが進めてきた大企業向けソリューションの展開が鈍化する可能性があるかどうかは不明だ。
アップルはソロモン氏の後任が誰になるかについては何も示唆していない。
ソロモン氏は、2015年にiPhoneメーカーに入社する前、20年以上にわたりヒューレット・パッカード社のグローバル・コンシューマー・プリンティング部門のゼネラルマネージャーとして同社の国際コンシューマー・プリンティング事業を率いていました。
彼はヒューレット・パッカード在職中に、米国空軍へのハードウェア供給を含むいくつかの大型取引を仲介した功績がある。
Apple CEOのティム・クック氏は、2014年にIBMと大規模な契約を結び、法人向け販売に力を入れ始めた。この契約により、大企業顧客向けにカスタム設計されたビジネスアプリの開発や、iOSハードウェアの導入増加につながった。
昨年、クパチーノの同社は、ネットワーク大手シスコと契約を結び、iPhone をシスコのネットワーク機器とより深く統合できるようにした。
同じく2016年、AppleはビジネスソフトウェアメーカーのSAPと契約を締結し、「あらゆる規模の企業顧客のモバイルワーク体験に革命を起こす」ことを目指しました。この共同の取り組みでは、強力なネイティブiOSアプリとSAPのHANAプラットフォームの最先端機能を組み合わせています。
そして同年後半、Apple と Deloitte は提携してエンタープライズ分野への進出をさらに進め、iOS デバイスを使用して企業の働き方を変革しました。
ちなみに、Apple の 2015 年の法人向け売上高は約 250 億ドルでした。
「これは趣味ではない」とクック氏は当時のアップルの企業向け取り組みについて語った。
出典:ロイター