台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー・リミテッド(TSMC)は今朝、最近のウイルス流行がiPhoneチップを生産する工場に与えた影響により、出荷を遅らせる必要があり、収益が減少すると警告した。
独立系半導体ファウンドリーのTSMCは、金曜夜に台湾の施設を襲った「機能不全を引き起こすコンピュータウイルス」から回復しつつある。コンピュータウイルスがTSMCの施設を停止させたのは初めてだとブルームバーグが月曜に報じた。
この事件は、TMCが今秋のiPhoneとiPadの新モデル発売に先立ち、Appleの次世代A12システムオンチップの量産を強化している最中に起きたが、Appleの発売への影響は現時点では不明だ。
TSMCの主要顧客の大半にはすでに通知済みだ。
TSMC自身によると、ウイルス攻撃中に機密情報が漏洩したことはないとのことだ。「TSMCはこのセキュリティギャップを埋め、セキュリティ対策をさらに強化するための措置を講じました」と、TSMCの最高財務責任者(CEO)であるローラ・ホー氏は日曜日に投資家に保証した。
「TSMCはこれまでにもウイルス攻撃を受けたことがあります」と彼女は付け加えた。「しかし、ウイルス攻撃が当社の生産ラインに影響を与えたのは今回が初めてです。」同社は声明の中で、このウイルスはハッカーによって持ち込まれたものではないと付け加えたが、それを裏付ける証拠は決定的ではない。
このインシデントはTSMCの自業自得と報じられている。TSMCは、ソフトウェアのインストール時に発生したミスがネットワーク全体に広がったことが感染の原因だとしている。同社は9月期の売上高が従来予想の84億5,000万ドルから約3%減少し、85億5,000万ドルになると予測している。粗利益率は約1%ポイント低下する見込みだ。
TSMCは、ウイルス感染拡大の影響を受けた製造装置の80%が復旧し、本日中に完全復旧する見込みだと発表した。台北市場ではTSMCの株価が1%以上下落した。
TSMCの複数の工場が金曜日に停止したが、同社は影響を受ける顧客を明らかにしていない。TSMCは、Appleが自社設計したiPhoneおよびiPad用モバイルチップの唯一の製造元である。最大の顧客であるクパチーノに拠点を置くテクノロジー大手TSMCは、TSMCの世界売上高の21%以上を占めている。
世界経済フォーラムによれば、サイバー犯罪は今後5年間で世界中の企業に最大8兆ドルの損害を与える可能性がある。