日本の通信事業者ソフトバンクは、英国のファブレス半導体メーカーARMホールディングスを320億ドルで買収すると発表した。買収額は、金曜日の終値222億5000万ドルに対し、約43%のプレミアムとなる。ARMは月曜日にこの取引(PDFダウンロード)を認めた。
声明によると、ARMの取締役会は株主に対し、この提案を受け入れるよう勧告する見込みだ。AppleはARMに投資しており、iOSデバイスに搭載される自社製AシリーズチップのカスタムCPU設計の基盤としてARMの技術をライセンス供与している。
ソフトバンクはARMの現経営陣を維持し、本社を英国ケンブリッジに置き、今後5年間で従業員数を倍増させる予定だ。
「これは当社がこれまでに行った買収の中で最も重要なものの一つであり、ARMが今後のソフトバンクの成長戦略の重要な柱となることを期待しています」とソフトバンクCEOは述べた。
「ARMは世界的に有名で、高い評価を得ているテクノロジー企業であり、その分野で圧倒的なマーケットリーダーとして長年にわたり高く評価してきました」と彼は続けた。「IoT(モノのインターネット)がもたらす非常に大きなチャンスを捉えるために投資を行うソフトバンクグループにとって、ARMは戦略的に非常に相性が良いでしょう。」
ロイター通信は、ソフトバンクがARMにかなりのプレミアムを支払う用意があるという事実は、同社がもう一つの大型買収である米国の携帯電話事業者スプリントの業績回復にも近づいていることを示していると付け加えている。
ソフトバンクは2013年にスプリントの過半数株式を200億ドルで買収したが、その後、この取引は同社にとって大きな頭痛の種となっている。孫正義会長兼CEOは月曜日の記者会見で、この提案は英国のEU離脱決定後に行われたものであり、その後の英ポンドの下落は大きな要因ではなかったと述べた。
ARMは1990年に英国のコンピュータメーカーであるAcorn Computersからのスピンオフとして設立されました。
それ以来、同社は従業員20人未満の小さなスタートアップ企業から、3,000人以上を雇用する世界的リーダーへと成長し、同社の技術はアップルやサムスンなどが製造するスマートフォンの90%以上に使われている。
出典:ニューヨーク・タイムズ