ブロードコムは本日、アップルとの供給契約をさらに2年間更新すると発表した。
これは、ライバルであるクアルコムとアップルが特許およびロイヤリティ紛争での意見の相違を棚上げし、すべての訴訟を取り下げて6年間のライセンス契約を締結し、アップルがクアルコムに一度に数十億ドルを支払うことになった後のことだ。
AppleInsiderが発見したブロードコムの米国証券取引委員会への提出書類には、同社が「アップルのスマートフォン、タブレット、時計用の特定の無線周波数フロントエンド部品とモジュール」を供給すると記載されており、さらにクパチーノの同社は「それらの部品を購入する意図はあるが、義務ではない」と付け加えている。
提出書類より:
2019年6月9日付けで、Broadcom Inc.(以下「当社」)の一部子会社は、Apple Inc.(以下「Apple」)と、2年間の新規プログラム供給契約(以下「本契約」)を締結しました。本契約に基づき、以下のとおりとなります。
当社は、Apple のスマートフォン、タブレット、時計用の特定の無線周波数 (「RF」) フロントエンド部品およびモジュールを Apple に供給し、これらの製品を製造するために十分な製造能力およびその他のリソースを維持し、割り当てることに合意しました。
そして
Apple は、当社が一定の開発、供給、および品質のコミットメントを満たすことができる限り、かかる RF フロントエンド コンポーネントおよびモジュールに関するすべての要件を当社から調達することを意図していますが、その義務はありません。
この動きは、AppleがiPhoneに搭載されているBroadcomのワイヤレスソリューションを近いうちに置き換える予定がないことを示唆している。iFixitによるiPhone XSおよびiPhone XS Maxシリーズの分解分析によると、Broadcomの技術はiPhone XSおよびiPhone XS Maxシリーズのワイヤレス充電モジュールに搭載されている。
過去に、Broadcom は初期の iPhone 向けに Wi-Fi および Bluetooth モジュールを Apple に供給していました。
BroadcomのAppleサプライヤーとしての役割が縮小されたことは、Appleが半導体事業の運命を自ら掌握したいという願望を改めて証明するものだ。しかし、誰の特許も侵害することなく、無線チップをゼロから開発するのは、言うは易く行うは難しだ。噂話やアナリストレポートによると、Appleは自社製品向けモデムの開発に1000人以上の無線エンジニアを投入しているという。
しかし、AirPodsや一部のBeatsヘッドフォンに搭載されている同社カスタム設計のWシリーズワイヤレスチップ、および新型AirPodsとPowerbeats Proに搭載されている新しいHシリーズヘッドフォンチップを除けば、Appleブランドのセルラーモデムが登場するのはまだ何年も先のことになりそうだ。