Business Insiderのダン・フロマー氏が今朝、「iPhoneとAndroidの市場シェア争いがなぜ重要なのか」という興味深い記事を公開しました。フロマー氏は記事の中で、市場シェアの獲得が重要である理由を的確に指摘しています。なぜなら、それが今後10年間のモバイルプラットフォームの支配力を築く鍵となるからです。
歴史的に見て、Appleは市場シェアをそれほど重視していませんでした。確かに市場シェアを獲得できれば喜びますが、Appleにとって重要なのは収益性とブランド価値です。GoogleがAndroidユーザー1人あたり年間10ドルの利益を上げているのに対し、AppleはiPhone1台あたり約300ドルの利益を上げています。この調子でいくと、Appleがスマートフォン市場でわずかなシェアしか持っていないとしても、業界全体の利益の約50%を握っているのも不思議ではありません。
フロマー氏が言うように、この市場シェア争いはこれまで以上に重要であり、それは今後10年ほどでどのプラットフォームとエコシステムが勝利するかを決定するからである。
そして、その大きな部分は、そのプラットフォームをできるだけ多くの人に届け、その使い方を世界中に教え、人々が簡単には離れられないような中毒性のある体験を構築することです。そして、3対1で販売数で負けている状態では、市場を支配するのは難しくなります。
Androidは現在iOSの売上を上回っていますが、Googleは魅力的で中毒性のある製品の開発には全く力を入れていません。Androidデバイスはどれもそれぞれ大きく異なるため、「Android体験」というものが存在しません。さらに重要なのは、Samsung、HTC、Motorolaといった魅力的な企業ではなく、同じ市場で互いに競い合っているため、ブランドロイヤルティが存在しないことです。
これらの企業を貶めるために言っているわけではありませんが、これらの企業のブランド価値、あるいはブランド認知度はAppleとは比べものにならないと言わざるを得ません。人々は感情を生み出すブランドを好みます。感情は売れるのです。HTCは感情を一切生み出しません。彼らはただ製品を作っているだけです。
モバイルプラットフォーム戦争に勝者はいないでしょう。むしろ、少なくとも今後数年間は、AppleとGoogleが他のすべての企業をリードする形で、常に複数の競合企業が存在するでしょう。
Appleはデバイスの販売台数では世界一ではないかもしれませんが、ブランディング、優れた製品、顧客サービス、そして統合されたエコシステムを組み合わせることで、今後数年間は収益性の高い事業を展開できる体制を整えています。そして結局のところ、重要なのはまさにそれなのです。