新型iPadのRetinaパネルなどを供給するAppleの主要部品サプライヤー、サムスンは、他の被告らとともに、価格操作をめぐる集団訴訟を11億2千万ドルという巨額で和解することに合意した。
サムスンは2億4000万ドルを支払うことに同意し、AUオプトロニクスは1億7000万ドルを負担し、東芝は2100万ドルのみを支払い、LGディスプレイは3億8000万ドルの損害賠償で和解する。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙の報道によると、この和解は消費者集団訴訟による価格カルテルの和解としては過去最大規模となり、メーカー10社とのこれまでの和解および一部の幹部に対する懲役刑に加えてのものだ。
Apple、Dell、HPなどの被害を受けた企業は、総額11億2000万ドルの損害賠償金の一部を請求できる。2008年には、これらの企業が液晶ディスプレイの世界的な価格操作に合意し、顧客にディスプレイパネルに必要以上に高い価格を支払わせていたことが明らかになった。
ご存知の通り、サムスンは新型iPadに搭載されるRetinaディスプレイパネルの主要メーカーです。シャープに加え、以前のiPadのパネルを製造していたLGも、Retinaディスプレイの試験生産を開始すると見られています。
アップルのパートナーでアップル製品の組み立てを手掛けるフォックスコンは3月、シャープとその最先端IGZOディスプレイ工場の株式を取得した。フォックスコンの郭台銘(テリー・ゴウ)CEOは、この買収は鮮明度でサムスンディスプレイに勝つことを目的としていると明言した。
サムスンはフォックスコンの最大のライバルなので、郭氏がギャラクシーメーカーであるフォックスコンを 「競合他社を密告してきた経歴を持つ企業」と呼んだのも不思議ではない。郭氏は、2010年に欧州委員会によるフラットパネル業界の価格カルテルに関する調査で、サムスンが台湾企業4社を密告した行動に言及した。
サムスンは「汚職にまみれた証人」として捜査を免除された。
売上高ではサムスンが世界トップのLCDメーカーであり、LGディスプレイがそれに続いている。
フォックスコンのシャープへの投資は、決して偶然ではなく、シャープが生産を増強し、堺のディスプレイ工場の歩留まり問題を解決すれば、アップルがサムスンへの液晶ディスプレイの注文を最終的に削減する道を開くものだと思う。