パイパー・ジャフレーのアナリスト、ジーン・マンスター氏は、アナリスト界隈ではちょっとした笑いものとなっている。本格的なApple製テレビの最も熱心な支持者とも言えるマンスター氏は、長年にわたり、50インチ以上の、光沢のあるAppleロゴが入ったテレビが間もなく登場すると予測してきた。
彼の予測は独りよがりではなかった。最近では、著名なアクティビスト投資家のカール・アイカーン氏が昨日、ティム・クック氏に宛てた新たな書簡の中で、Appleの幻のUltra HD TVに大きな期待を寄せている。
しかし、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の新たな報道によると、アップル社は10年近く調査を重ねた末にこのプロジェクトを中止したとのことで、マンスター氏は自分がずっと間違っていたことをすぐに認めた。
マンスター氏は、素晴らしいアップル製テレビの夢をあきらめ、顧客向けの「アップル製テレビがない現実に直面」という適切なタイトルのメモに、そのような製品を求める「過去10年間の大部分」を費やした後では、もっと賢明な判断を下すべきだったと記した。
「Apple製テレビの発売が現実のものになると我々は強く主張してきたため、Apple製テレビが発売されないという現実を受け入れるのは容易ではない」とアナリストのメモには記されている。「この報道が出る前の我々の最新の見解では、Appleは2016年にテレビを発売するだろうと予想していた。しかし今回の報道を受け、我々はもはやテレビがいつまでたっても発売されないと予想している。」
弁護のために言っておくと、Apple TV を夢見ていたのはマンスター氏だけではなかった。
「当初はコンテンツが遅延の原因だと予想していましたが、真の遅延原因を誤認していました。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたように、目玉となる機能が不足していたのです」と彼は述べた。「Siri、FaceTime、TVアプリストア、そしてPrimeSenseベースのモーションコントロールの組み合わせが、このデバイスの独自の機能セットとして十分に魅力的だと誤って想定していたのです。」
ウォール・ストリート・ジャーナルの若林大輔氏は昨日、Appleが本格的なテレビの発売計画を棚上げしたと報じた。この報道で特に興味深いのは、Appleが10年ほどかけて何らかの形でテレビの実験を行っていたことを認めている点だ。
「アップルは超高解像度ディスプレイに加え、視聴者がテレビを通してビデオ通話ができるようセンサー付きカメラの追加を検討した」とWSJは報じている。
いずれにせよ、ベイパーウェア製品を予測することで Apple コミュニティで名を馳せてきたアナリストにとって、これは非常に注目すべき方向転換だと思いませんか?
Apple HD TV が近い将来に発売される予定はないとしても、クパチーノの同社はリビングルームでの存在感を強化すると予想されている。
来月のWWDCまでに、Appleは次世代のApple TVコンソールを発売すると広く予想されており、アップグレードされたプロセッサと独自のApp Storeを介してサードパーティ製のアプリやゲームを実行し、Apple Watchとより緊密に統合し、興味深い新しいリモコンなどを提供すると言われている。
出典：ビジネスインサイダー
