ついに公式発表された。アップルやその他の家電メーカー向けにiPhoneなどの製品を組み立てている世界最大手の受託製造業者フォックスコンが、アップルのディスプレイパネル供給業者の1つで経営難に陥っている日本の大手シャープを、報道によると35億ドルで買収した。
本日ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたように、フォックスコンは今回の取引によりテクノロジーバリューチェーンにおける自社の地位が向上すると考えており、シャープの生産能力を拡大し、将来のiPhoneに採用されると予想されるOLEDスクリーンの生産に投資する計画がある。
両社の取締役会は、創業103年のシャープをフォックスコンが3890億円(約35億ドル)で買収する計画を正式に承認した。これは、シャープのこれまで公表されていなかった偶発債務、つまり将来の財務リスクを反映するため、当初の提示価格より25億ドル近く値下げされた額である。
シャープはフォックスコンに新株を発行し、これによりフォックスコンはシャープの株式の66%を取得する。この取引に関する正式契約は土曜日に締結される予定で、シャープの株主は年次総会でこの取引について投票を行う予定だ。また、この取引により、フォックスコンはシャープの取締役の最大3分の2を任命する権限を得ることになる。
フォックスコンの郭台銘会長は「我々には達成したいことがたくさんある。シャープの真の可能性を引き出し、共に大きな高みに到達できると確信している」と語った。
シャープの主要融資先であるみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行もシャープに新たな信用枠を提供する予定だ。
シャープは他のサプライヤーとともにiPhone用のスクリーンを生産しており、今回の取引によりフォックスコンはスマートフォンスクリーンの製造となり、追加の供給契約を獲得できるようになる。
報道によると、取引に詳しい関係者は、フォックスコンは、アップルが将来のiPhoneに採用すると予想されるOLEDパネルの生産への投資を含め、シャープのスクリーン生産能力の拡大を計画していると述べている。
「シャープは、フォックスコンが同社に投資する予定の3分の2を、パネル製造技術の強化に充てると述べた」と報道されている。
上の写真:日本の三重県にあるシャープの亀山液晶工場。
出典:ウォール・ストリート・ジャーナル