台湾の最高裁判所は、サムスンがライバルである世界第1位の独立系半導体製造会社である台湾積体電路製造(TSMC)から企業秘密を盗んだとの判決を下した。
台湾の業界紙DigiTimesが水曜日に発表した記事によると、裁判所はTSMCの元研究開発担当シニアディレクターであるLiang Mong-song氏が、TSMCの高度なFinFETプロセス技術に関する企業秘密と特許をサムスン電子に漏らしたと判断した。
この報道ではAppleについては言及されていないが、その関連性は明白だ。Samsungは盗んだ機密情報を利用して、Appleの次世代「A9」プロセッサの受注を獲得できた可能性がある。以前の報道では、SamsungとTSMCの両社が、全く新しい3次元トランジスタを採用した先進的な14ナノメートルFinFETプロセス技術を用いてAppleのA9チップを製造したとされている。
ライバルからノウハウを盗む
DigiTimesは、台湾の雑誌CommonWealthが発行した記事を引用し、14/16nmの競争でサムスンがTSMCに勝つ上でLiang氏が重要な役割を果たしたと報じた。
「最高裁判所は8月24日、二審裁判所の決定を維持し、梁氏が2015年12月31日までいかなる形でもサムスンに勤務することを禁じた」と報告書には記されている。
偶然かどうかはさておき、TSMCのモリス・チャン会長は今年1月、投資家に対し、同社は2015年にFinFET分野でサムスンに敗北するだろうと語っていた。また当時、チャン会長は、TSMCは「可能な限り短期間で」、より微細な10ナノメートルプロセス技術を開発することに「白紙小切手」を出すと述べていた。
まとめ
主要な製造プロセスに関して第三者の専門家が行った分析では、45nmから28nmのプロセス以降、サムスンとTSMCの技術の差は縮まっていることが判明した。
「両社が今年量産する16nmおよび14nm FinFET製品は、さらに類似している」と報告書は指摘している。「構造分析のみでは、(製品が)サムスン製かTSMC製かを見分けるのは難しいかもしれない。」
相反する報道により、SamsungとTSMCのA9チップ生産量の割合を正確に把握することは困難です。明確なのは、両社がAppleの次世代iPhoneとiPad向けのA9チップを14ナノメートルFinFETプロセスで製造するということです。
出典:DigiTimes